Azure アーキテクト



リージョン

リージョンとは、世界中に分散された Azure データセンターの地理的なグループのこと。例えば、日本国内には、東日本(東京・埼玉)と西日本(大阪)の 2 つのリージョンが存在する。リージョン内には、複数のデータセンターが設置されている。

リージョン内のデータセンター間は、低遅延の高速なネットワークで接続されており、データセンター間でも同じデータセンター内のやりとりと同じネットワークパフォーマンスが提供される。

また、リージョン間は、マイクロソフトの専用ネットワークであるバックボーンネットワークが使用され、リージョン内のやりとりよりは遅くなるが、非常に高速なネットワークである。

仮想マシン ( VM )

仮想マシンとは

Azure 仮想マシンは、実際のコンピュータのように動作する仮想コンピュータである。

仮想マシンは、仮想化ホストと呼ばれる物理サーバ上で実行される。Azure 仮想化ホストは、Windows Server 用のハイパーバイザーである Hyper - V を使用した物理サーバである。ハイバーバイザーとは、仮想化ホストで実行される仮想マシンを制御するソフトウェアのことである。仮想化ホスト(1 台の物理サーバ)上で複数台の仮想マシンを同時に実行することができる。

仮想マシンの再起動と停止・起動の違い

仮想マシンを再起動する場合、
物理サーバからのリソース ( CPU、メモリ、一時ディスクなど ) の割り当ての解除はなく、再起動後も再起動前と同じ物理サーバ上で仮想マシンが実行される。

仮想マシンを停止 ( 割り当て解除 )・起動する場合、
仮想マシンを停止をすると、物理サーバからのリソース ( CPU、メモリ、一時ディスクなど ) の割り当てを解除する。仮想マシンを起動すると、物理サーバからリソース ( CPU、メモリ、一時ディスクなど ) を仮想マシンに割り当てる。停止前と同じ物理サーバの場合もあれば、別の物理サーバの場合もある。
※仮想マシンを停止・起動することにより、起動後は停止前と異なる物理サーバ上で仮想マシンが実行される可能性がある。

ゲスト OS は、
仮想マシンの再起動と停止・起動のどちらの場合も、シャットダウン / 起動 の動作をする。

仮想ネットワーク

仮想ネットワーク同士の通信

同一の仮想ネットワーク内の仮想マシン同士は通信することができるが、別の仮想ネットワークの仮想マシンとは通信できない。そこで、ピアリングにより、同一リージョンの別の仮想ネットワーク内の仮想マシンと通信できるようにすることができる。また、グローバルピアリングにより、別のリージョンの仮想ネットワーク内の仮想マシンと通信することができる。

可用性を確保

可用性セット、または可用性ゾーンにより、システムの可用性を確保する。可用性セットと可用性ゾーンを同時に使用することはできないため、どちらか 1 つを使用する。

可用性セット

可用性セットを使用すると、データセンター内のサーバーラックやサーバ機の障害、計画 / 計画外メンテナンスからシステムを保護することができる。可用性セットを使用した 2 台以上の仮想マシンのシステムに対して、SLA 稼働率 99.95 % を保証する。

仮想マシン作成時に、可用性オプションで可用性セットを選択して、可用性セットで障害ドメインの数と更新ドメインの数を指定することで、仮想マシンが配置されるサーバーラック数とサーバ機の数を指定することができる。

障害ドメイン:仮想マシンを分散配置するサーバーラック数(最大値:3)
更新ドメイン:仮想マシンを分散配置するサーバ機の数(最大値:20)

例えば、仮想マシンを 6 台作成して、
障害ドメイン:2
障害ドメイン:5
とする場合、仮想マシンは、以下のように配置される。


可用性ゾーン

可用性ゾーンを使用すると、可用性セットより高い可用性を確保できる。可用性ゾーンを使用することで、データセンターの障害からシステムを保護することができ、可用性ゾーンを使用した 2 台以上の仮想マシンのシステムに対して、SLA 稼働率 99.99 % を保証する。

可用性ゾーンは、リージョン内のデータセンター群を地理的にグループ化し、番号を付けたものである。仮想マシン作成時に、可用性オプションで可用性ゾーンを選択して、可用性ゾーンで 1 ~ 3 を選択することで、仮想マシンが配置される可用性ゾーンを指定することができる。可用性ゾーン同士は、地理的に離れており、電源、ネットワーク、冷却装置は分離しているため、1 つの可用性ゾーンで障害が発生しても、他の可用性ゾーンに影響はない。よって、仮想マシンを複数の可用性ゾーンに作成することで、高い可用性を確保することができる。









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